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違う世界にのかずシネマのレビュー・感想・評価

違う世界に(2012年製作の映画)
3.5
少し古めの作品の様な質感。
好きな画面だ。

主人公はスーパーでレジ打ちをしているが、ハロウィン用の衣装をつけるかどうか、馬鹿らしいとかどうとかで上司や同僚と揉める。
「ノーと言えない人達ね」と格好いい事を言うが、あんな事でそんな台詞を言わんでも…使い時が違うよ…と思ってしまう。
あれじゃ只の協調性が無い人だ。
でも実際、彼女が言う様にあんな事くらいお客様は気にしていないと思うw
あれって、子供が喜ぶといいなぁくらいの雰囲気作り、つまりサービスの一環な訳で、それが只の職場の強制になっていくのはおかしな話だ。
魔女の格好は自分も職場でした事ある。
そりゃ馬鹿らしかったけど、それごと楽しまなきゃ損だと思う。
この辺までの描写で、彼女の人物像がある程度は予想できる。

そして彼女は次の日は仕事をサボり、息子に会いに行く。
タバコを吸いながらの母子の会話がなんだかリアルでとてもいい感じ。
「私に恋人がいるか聞かないの?」と言って言葉に詰まる息子に「冗談よw」とツッコミを入れる所が好きだった。
息子と息子の友人と一緒にWiiやってる様子が楽しそうで草。
その後に会話を進めていくと邪険な空気になったが、あれ、息子は母親にも友人にも甘えてるだけだと思う。
不安なのと、1番甘えたかった時期に母親がいなかったのだろうから。
息子の友人がいい人で聞き上手だった。

最後の川と光と音楽が温かで清々しい様なものだった。
ふらふらと、彼女は次は何処に向かうんだろうか。
いい意味で短編っぽくない。
続きがありそうな、あるなら観てみたい話だった。
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