滝和也

めぐり逢えたらの滝和也のレビュー・感想・評価

めぐり逢えたら(1993年製作の映画)
3.7
ラジオから流れる
妻に先立たれた男の
愛溢れる言葉…

その瞬間に心動かされ
た婚約中の彼女。

二人の運命の出会いを
描いたラブストーリー。

「めぐり逢えたら」

メグ・ライアン、トム・ハンクスの二人が贈る大ヒットした90年代を代表するロマンティックでハートウォーミングな恋愛映画です。

妻に先立たれ、意気消沈するサム。そんな父親を見かねた9才の息子ジョナはクリスマス・イブの夜、ラジオの相談番組に電話をする。行きがかりで電話に出なければならなくなったサムは亡き妻への想いを語る。その言葉は全米に届き大きな反響を得るが…そのリスナーの中に婚約したが、結婚に悩むアニーがいた。アニーはサムの言葉に運命を感じて、記者である力を使って、彼に会おうとする…。

恋人たちの予感で人気を博したメグ・ライアンが今回は運命の恋を演じます。お相手は当時、若手から中堅へと伸び盛りのトム・ハンクス。

今作はとても突飛な内容ですが、演じる二人の普通さで身近な存在に感じる点がロマンティック過ぎる内容を中和していて、それがまた良いんですよね。

ラジオで相手を知ると言う、時代性を感じますが、メールもラインもないこの時代、シアトルとボルチモアの二人が出会うなんて奇跡ですからね。その二人を運命が結ぶ。神様の思し召しですよね。

二人を繋ぐ天使役は、息子のジョナと可愛い彼女。運命の糸を紡いでくれます。父親が大好きでたまらない可愛さ、そのために憎まれ口を叩く可愛さがまたたまらない。サムとジョナの親子の物語でもあって、そこもホンワカして良いんですよ。因みにジョナの彼女はDAIGOみたいに言葉を頭文字で略す…(笑)これネタ元ですかね。

この作品は女性側、メグ・ライアン側が積極的。90年代の新たな女性像でもあるんですが、ただ肝心な所で踏み込めなかったり、そこが古き良き時代の恋愛映画的な所もあって素敵なんですよね。クラシックの名作であるケイリー・グラント&デボラ・カーのめぐり逢いにオマージュを捧げていて、また映画の話が幾つも出てくるので、映画ファンには堪らない部分もあります。僕の好きな打撃王の下りは嬉しかったですし(^^) 

ラストシーンは何処かクラシックの様な画像になっていて…これがまた素敵。エンパイアステートビルが愛の場所になる訳ですよ。あのハートは(^^)

メグ・ライアンは綺麗でキュート。やはりこの時代を代表するコメディエンヌです。まぁ、見たこともない相手を追っ掛けちゃう役なんで、これがグレン・クローズだったらホラーですし、彼女で無ければ駄目な役。ただ…トムと息子さんのコンビが良すぎて押されたかなとは思いますし、普通さが大事な役なので、恋人たちの予感よりはオーラ抑えめかな(^^)

お休みの日にホンワカ、心が暖かくなるような作品です。こちらもクラシックの名作入り仕掛けていますが、興味のある方は是非ですね。

因みに…ビル・プルマンはちょっと可愛そうかな…。大統領の方が似合ってますし(笑)

追記…音楽もスタンダードを使用し、盛り上げてきます。これは80s作品を良い意味で引きずってますが、効果的です(^^) 少しクドいですが…(^^)
滝和也

滝和也