GreenT

めぐり逢えたらのGreenTのレビュー・感想・評価

めぐり逢えたら(1993年製作の映画)
2.0
なんでこの映画が爆発的にヒットしたのか全然わからん(笑)

サム・ボールドウィン(トム・ハンクス)は、妻を病気で亡くし、幼い息子、ジョナと2人残される。

「お母さんは具合が悪くなり、そうなると誰も助けることができない・・・」というナレーションをバックに墓場に佇むサムと息子・・・・なんか雑な設定だなあ〜とここからもう入り込めない。

サムの家族の奥さんが、作り置きをいっぱいして「5分チンして」とか「ジュースの作り方は知ってるの?」とか、「主夫」になったサムを心配しているけど、ジュースくらい作れるだろ!それとも時代?でもあとでシアトルに引っ越してからは立派なディナー作ってたがなあ。

シアトルに引っ越す理由ってのが、奥さんと過ごした思い出の地、シカゴを離れたい、過去を振り切りたい、みたいな理由なんだけど、奥さん闘病でお金もかかっただろうし、そんなに簡単に引っ越せて仕事が見つかって〜、みたいなのが特権階級ぽくて鼻につく。

メグ・ライアンはアニー・リードというバルティモアの新聞記者?で、婚約したばかりなんだけど、ラジオでトムが死んだ奥さんに対する想いを語るのを聞き、逢ったこともないトムに恋してしまう。

アニーは、トムに対する恋心が募り、逢いにシアトルまで行ったり色々するんだけど、一度も声をかける勇気がない。

その、「片思い」的なところが可愛らしい、メグ・ライアンの雰囲気に合ってる!みたいな良さがあるんだと思うんですけど、婚約者が可哀想だろ!とか思う。「もしかしたら運命の人かもしれないのに、今、行動しないであとあと後悔したくない」とかって親友のロージー・オドネルに言うんだけど、普通だったら「なに言ってんの、あんた」って言われるよ。

そんでバレンタインにニューヨークに行って、散々高いチャイナとか婚約者に買わせて、婚約者のお母さんの結婚指輪、アニーのサイズに作り直したものを貰って、スカイスクレイパーの高級レストランでシャンペン飲みながら「実は告白することがあるの」って。

まさかまさか!と思ったら、「あなたと結婚できない」って!おい!

で、婚約者が、「君が落ち着くための相手にはなりたくないから・・・」って笑顔で別れてくれる?!しかも「私行かなくちゃ」って、そこに婚約者置いてサムに逢いに行く?!

ひでー女、ってか、ガキっぽいというか、まあメグ・ライアンのノーテンキな雰囲気には合ってるけど、この行為が正当化されるのか〜。

メグ・ライアンは昔「なんて可愛らしい美人なんだろ」って思ってたけど、今の顔のトレンドが違うのか、自分の好みが変わったのか、今観ると変な顔だよな。ああいう「オール・アメリカン」な金髪碧眼の白人って今や古い感じ。

トム・ハンクスは、死んだ奥さんを忘れられない男、息子に優しいお父さん、と好印象のキャラなんだけど、トム・ハンクスの良さが生かされてない気が。

アニーの役は、ジュリア・ロバーツやデミ・ムーア、キム・ベイシンガー、ミシェル・ファイファー、シャロン・ストーン、ジョディ・フォスターからマドンナまで考えられてたらしいけど、このノーテンキさはメグ・ライアンしかハマらないでしょ、と思うけど、サムの役は、それこそ誰でもいいんじゃ?ってくらいどーでもいい役。

あと、アニーの親友の役なんだけど、『ゴースト』のウーピー・ゴールドバーグがすごい良かったから、女性主人公のサイドキックはコメディアンに頼もうってことになったらしいのだが、ロージー・オドネルも全く良さが生かされてなかったと思う。

この脚本はノラ・エフロンをはじめとして色んな人が改稿しているけど、元々この話を作った人は「オリジナルなラブ・ストーリーを作りたかった」そうなんだけど、設定が変わっているだけで登場人物の作り込みが甘くて面白くない。

でもバレンタインのハートのマークが浮かび上がるエンパイアステート・ビルの屋上で逢うとか、ラジオで気の合う人の声に恋をするとか、こういうの、私は「歯が浮く」と思うけど、本気で「いいわね〜ロマンチックね〜」って思える人がすごく多いんだろうな。だから大ヒットしたんだろう。

まあ〜私は極端に「恋愛に幻想を求めない」タイプなので。
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