踊る猫

マグノリアの踊る猫のレビュー・感想・評価

マグノリア(1999年製作の映画)
4.2
なんとも語りにくい映画だ。テーマは単純なようでもあるし、深読みを誘うようでもある。単純な方に解釈すれば「過去」とは人間にとってどういうものなのか、というものとして行き着きそうだ。当たり前の話だけど、「過去」に起こったことは変えられない。己の為した愚行も己に降り掛かった不幸も、変えようがない。どれだけ否定しても否定し切ることは出来ない。だから、出来ることは今をどれだけ誠実に、悔いを背負いながらせめてこれからは悔いのないように力一杯善行を為して生きることでしかないのだ……と。繰り返すが、これはかなり「単純」な解釈である。そんなことを三時間も掛けて表現する意味があるわけ? と思われては困るのだ。この映画はもっと豊穣である。それを説明出来ないことを他でもないこの私が悔やむ。
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