ジョン・ディリンジャ―の伝記映画第1号、30年代のギャング映画ブームには間に合わず、ノワールの時代に制作されている。
ランニングタイムこそ短いものの、収監から脱獄手配、そして最初の銀行強盗までを伝える冒頭20分だけでも、濃密過ぎるほどてんこ盛りで終始スリリング。
脚色は多分にあるが、実在エピソードも多数盛り込まれており、目が離せない…、特に木製拳銃のくだりが実話なのには驚かされた。
ディリンジャ―が死の直前まで身を寄せていたという売春宿の女主人が、「FBIのため目立つ赤いドレスを着用して逮捕に協力した」というエピソードも脚色して挿入、この事実から「The Lady In Red」はファム・ファタールと同義語になったのだとか。