ちゅにちゃん

恋する寄生虫のちゅにちゃんのレビュー・感想・評価

恋する寄生虫(2021年製作の映画)
2.8
幼い時に両親が自殺し、潔癖症を抱えながらも一人で生きてきた主人公。ある日、ある人物から50万円で2ヶ月間、ある娘を預かるよう依頼され引き受けることに。娘と一緒に生活するうちにお互いが惹かれ合うようになっていくラブストーリー。人間の好みや嗜好、一見すると精神疾患と思われるような行動の全ては人間に宿す寄生虫の影響によるものという、独自の着想はとてもユニーク。例えば、寄生虫を神と置き替えて見ると、人間の言動を司るのは全て神の意思となり、西欧的なキリスト教的思想に通じていくところが興味深い。人間の行為は人間の自由意志に基づくものか、あるいは神の意思に基づくものなのか。ヨーロッパでは長年にわたり神学論争が続いてきた。本作に隠されているもう一つのテーマを新たな視点で捉え直してみるのも面白い。