【まとめシネマ】#626
【まとめ】
* 「死」を意識したスパイミッション
* 迷惑メーターに妥協する物語
* ジョン・ラセターの日本愛
本作はスパイミッションをテーマにした物語だがPIXAR作品には珍しい「死」を意識した本格派。車が擬人化している世界観で、車が大破したり、爆破したりと僅かな希望すら打ち消す残酷な演出によって、物語のスリルを高める。
本作の主役となるメーターだが、迷惑キャラとしての度が過ぎる。キャラの方向性としてはMr.ビーンのような物語をかき乱すコメディキャラだと思うが、デート中のマックィーンをレースに強制参加させたり、レースの前夜祭を台無しにしたりと、大迷惑。
ラストには物語の事件を解決するお手柄っぷりを見せるが、メーターを周りのキャラクターが妥協しているように見える。シンプルにスパイミッションとの相性も悪い。
本作は、ジョン・ラセター監督の日本愛が楽しめる作品だ。
前半に日本を舞台にしたレースが開催されるのだが、劇中歌にPerfume「ポリリズム」が流れたり、歌舞伎座が登場する。路地裏のレトロな雰囲気を再現しているもの、彼が目にした日本の姿をそのまま映した愛情だ。