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カーズ2の655321のレビュー・感想・評価

カーズ2(2011年製作の映画)
3.0
『ファインディング・ドリー』とよく似ていて、どうしても比べてしまう。
前作のサイドキック的な存在であったメーターが主人公である点や、どうにもならない欠陥を抱え苦しむ姿がよく似ている。
そして「君のままでいい」と言ってくれる友の尊さ。
痛みを大切にする気持ち。
それらはやっぱりジョン・ラセターの訴えるところであって。

…なんとも歯切れが悪くなってしまうのは、手放しでメーターを良しとすることに居心地が悪くなってしまうから。

メーターは、マックィーンの事が大好きだから、デートにまで割り込んできてしまう。
それはいい。それは分かるんだ。
相手への想いかた、みたいな距離感を上手く掴めないのがメーターだから。この危うさは魅力だ。
でもこの物語で一番の失敗と言えるメーターの失態はそういった類のものではない。
愛そうとしたが故の暴走じゃない。
それはメーター以外のキャラにも当てはまる。
マックィーンが絶体絶命のピンチを免れることが出来たのは、とあるキャラが信頼を裏切ったから。マックィーンは信頼を武器に走ろうとしたのに、その回答はあんまりにも酷いと思う。
そもそも、マックィーンがメーターの話を信頼しなかったために黒幕をすぐに見つけられなかったというストーリーと矛盾している描写だ。

相手の想いを汲むのは難しい。
それでも“誰かを愛そうとした暴走”と“自分を愛する視野狭窄”は似て非なるものだと思うんだよなあ。
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