あらた

ヴィクトリー・ロード アクイナスの奇跡のあらたのレビュー・感想・評価

2.0
原題「アンダードッグ」。高校の弱小アメフトチームが新コーチの下、快進撃を果たす。事実に基づいた作品。(アメフト映画のほとんどが事実に基づいている。)

主人公とヒロインの風貌や、好感の持てるチームメイトたちのおかげで、とても爽やかな印象。
後で記す許せない一点がなければ、私がアメフトファンだという、ひどく個人的なアメフト加点も相まって「全体的に薄口だけどまあまあの佳作」というレベルの作品として受け止められたと思う。

どうしても許せないその一点とは、宿敵フーバー高校への挑戦の仕方だ。その大まかな流れは以下の通りだ。

弱小だった主人公たちアクイナス高校が新コーチの熱血指導のもと、力をつけていき、あと最終戦に勝てば宿敵フーバー高校が待ち構えるチャンピオンシップに進出できるというところまで来る。しかし、最終戦で主力の体調不良もあり、アクイナス高校は負けてしまい、チャンピオンシップへの道は絶たれてしまう。チームが失意に暮れる中、コーチはラジオ局に電話をし、「あれは俺たちの実力じゃない。フーバー高校に挑戦させてくれ」と懇願する。すると、地元の企業のオーナーが(彼にも思惑はあるのだが)これを受け入れ、アクイナス高校のチャンピオンシップ進出が決定する。

…はあ?
いや、無茶苦茶すぎて意味がわからない。「あれは俺たちの実力じゃない」で結果をねじ曲げられるなら、もうスポーツに意味なんてない。
さらに、これが罪深いのは、アクイナスの謎の決勝進出で、本来決勝に出るべきだった別のチーム出られなくなっていることである。その高校の生徒にとっては、負かしたチームの監督が駄々こねたせいで自分らが決勝出られなくなったわけで、めちゃくちゃ気の毒。理不尽極まりない。

この後のフーバー高校との試合が、映画のクライマックスになるのだが、こんな不条理な経緯で開催された試合なので、「正直こんな試合どっちが勝とうとどうでも良いよね」という気分になってしまった。
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