熟年離婚というと、突然妻に出て行かれる夫の図の方が先に思い浮かんでしまうけれど、この映画では、突然夫に出て行かれてしまった妻が描かれていた。
結婚29年目にして突然、もう修復不可能だと知らされるなんてまさに青天の霹靂で、それもただ出ていかれただけじゃないというのが･･･。どうしたら良いのか分からなくなって頑なになったり、ちょっとやり過ぎな行動に出てしまったり、グレースが起きた出来事を受け入れるまでの過程には切なさを感じたなぁ。
でも、エドワードはきっと凄く努力して凄く耐えてきたんじゃないかなと、グレースとのやり取りを観て思った。互いの努力の上に成り立つはずのところに、私をもっと理解して欲しい、分からないのは努力が足りないからだっていうグレースの一方的な要求の多さに、これはイヤになるだろうな･･･って感じた。
気力も体力もあった若い頃は要求に応えようと頑張れても、人生の晩年になるにつれ、グレースの言動の強さに消耗度合いも激しくなって、エドワードは疲弊していったんじゃないかなぁ。だから、私はなるべくしてなった感も否めなかった。
リスタートへの希望を描いていたと思うけど、グレースを反面教師に、と思った映画だった。
#68_2021
