Haru

STANDARDのHaruのレビュー・感想・評価

STANDARD(2018年製作の映画)
3.8
ずっと見ようと思っていたらいつのまにか配信が終わっていて、またいつのまにか配信スタートしていたので急いで鑑賞。

自分はデモに対して、もっと変わって欲しいなというか絶妙な参加しにくさが未だにあるよなと思うタイプの人物で、この前の新宿デモとかも初めて見に行ったんだけど、やはり歩道から眺めているのが精一杯で、中に入っていきたいという気持ちを持てなかった。

それでも声を上げたい、怒らないなんておかしいとも私だって思う。入管法改悪に関してだって、エリザベスさんが声を荒げて悲鳴のように叫んでいる姿を見て、身体の端から端までその声が染み渡るような感じがして、脳裏からまだ離れない。映画でのヘイトデモの怒声にカウンターの怒声が被さる、それが正解なのかわからないけど、ヘイトの矛先を自分に向けさせる人々の覚悟と切迫感は画面越しでも伝わってきた。

条件とかなく身一つそこにあればできるprotestの形だから誰にだってできる、だからこそ誰もが予想できない変化がそこから生まれると思う。そして意見を可視化するのに人が物理的に集まるデモのような形が1番わかりやすい方法なのかな、とも思う。

ただ鑑賞後、やはりもっと多様なデモの形ができて欲しいとあらためて実感した。Tokyo protest Rave みたいな、デモを忌避するひとたちや若者も楽しそう〜と言って乗っかっていけるタイプのデモが増えるといいなと思った。

もう一つ思ったことは、これだけ政府に振り回されて、ほぼ全ての国民が制約を感じている中で、政治と生活のつながりをこれまでになく強く感じる人が増えてきているのではないだろうか。でも集まることができない、実際に周りがどう感じているのか体感できない、自分の無力を感じて悔しくなった。悔しすぎて、泣いた。自分の人生やたいせつなひとたちの人生をぼろぼろにされてたまるか、と思った。

だからこそ、新たな方法を作り出さないと。

声を上げる方法は路上に出るだけじゃない、それ以外にもできることがある。どれが1番社会変革に近いかなんて、まだ誰もわからない。
私なりの方法は、なんだろうか。
Haru

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