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Valley Girl(原題)のBuffysMovieのレビュー・感想・評価

Valley Girl(原題)(2020年製作の映画)
4.0
1983年のニコラス・ケイジ主演青春ムービー『ヴァレー・ガール』を80年代ヒットソングやカラフルなファッションによってミュージカルとしてリメイクした今作、劇場公開予定であったが新型コロナウイルスの影響で映画館が閉鎖されてしまっていた状況で、配信スルーとなった。日本での公開は今のところ未定だ。

ミュージカル化するにあたって、オリジナル版と比べると変更されている点も多く、ニコラス・ケイジが演じていたキャラクターはただの不良から、パンクロッカーに変更されており、ミュージカルシーンの導入がしやすくなっている。

ヴァレー・ガールとは、ロサンゼルス郊外の高級住宅地サンフェルナンド・ヴァレーに住むお嬢様ギャルのことを指しており、 ストーリーとしては、優等生やお嬢様と不良のラブストーリーという、『グリース』『クライ・ベイビー』『The O.C.』など、身分の違いや住む世界が違うと広げると、更に昔も今も映画やドラマもフル回転で使い古されているものだが、今作も同様である。

そのため、はっきり言ってストーリーは平凡だし、住む世界の違う相手との恋愛による周りの反応や葛藤を描いているのも、使い古されているものばかりだ。

だからこそ、流石にそのままリメイクするには、新しさもないし、意味がないと思ったからこそ、ミュージカル・リメイクされたわけだ。

『 IT イット “それ”が見えたら、終わり。』『サマー・オブ・84』『ストレンジャー・シングス』『ワンダーウーマン 1984』など映画業界の中で80年代がトレンドとなる中で、現代に置き換えることなく、80年代を象徴する音楽は勿論、ファッションやエアロビ、ローラースケート、ショッピングモールなどが映画のアクセントとして機能しており、ストーリーは平凡だが、ミュージカルとしては、とてもカラフル・ポップな作品に仕上がっていて、何回観ても楽しい。

『ラ・ラ・ランド』では、ほとんど歌うシーンがなかった、ジェシカ・ローテが全編にわたり歌声を披露し、『リバーデイル』『ケイティ・キーン』のジョシー役アシュリー・マレーも抜群の歌唱力で間違いない、歌唱力としてもクオリティ高いミュージカル映画に仕上がっている。

ジェシカ・ローテは『ハッピー・デス・デイ』同様に30代にしての女子高生役でも、あまり違和感はないが、ボーイフレンドのミッキーを演じているローガン・ポールは、あごが立派すぎて高校生には全く見えなくて違和感があり過ぎるだけに、もう少し男性陣のキャスティングにしっかりしてもらいたかった。

アメリカでは、劇場公開されなかったが、日本では映画館の音響で体感できることを願いたい。
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