菩薩

アルチバルド・デラクルスの犯罪的人生の菩薩のレビュー・感想・評価

4.2
元U-turn土田及びデスノートの元ネタ、アルチバルド・デラクルスの犯罪的人生、又の名をデス・オルゴール、「死ねば良いのに」と願えば次から次へと人が死んで行く残酷無比な悪魔の能力(嘘)。とまぁ詰まる所この作品のテーマは至極単純、要因の有る無し問わず、人は死ぬときゃ死ぬ、それ以上でも以下でも無いと思う。アルチバルド・デラクルス氏は自らを「犯罪者」であると自慢気に語るが、別に彼が何か手を下した訳では無い、ただ「死ねばいいのに」と願った相手がタイミングよくその瞬間に死んだと言うだけである。誰もが「犯罪的人生」を生きている者であり、誰もが心の中には邪悪な願望を抱き、犯罪者となり得る素質は有している、それが人間と言うものさ、とブニュエルは高笑い。ただこの場合その達成感は性的快感にも近く、また綺麗な脚を有する女性ばかりを、と言うところがブニュエルの変態性だろうか。俺もあのオルゴールを手にする事が出来れば…おそらく地上から半数以上の人間が消えていく(俺含め)、俺氏の犯罪的人生は惨めで少しばかり長い。にしてもなんとも語感の良いタイトル、『メルキアデス・ストラーダの三度の埋葬』以来だ。オルゴールの上でバレリーナは踊り、脚で操作するろくろは回る、人の運命もまた踊り、生命は循環する。
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