ケイスケ

ハーフ・オブ・イット: 面白いのはこれからのケイスケのレビュー・感想・評価

4.0
これは面白い!何度か後のシーンを暗示させる展開があって、特に劇中で観ていた映画と現実が重なるシーンが大好き。LGBTや人種など昨今の映画らしいテーマを扱っていますが爽やかでホロリとさせてくれる青春映画です。邦題の『面白いのはこれから』っていうのも好き。

アメリカの田舎町で暮らす中国系の女子高生エリーは内向的な性格で周囲となじめずにいた。そんなある日、エリーはアメフト部の男子ポールからラブレターの代筆を頼まれるが、その相手は彼女が密かに想いを寄せる美少女アスターだった。一度は拒否するエリーだったが家庭の事情でお金が必要になり仕方なく代筆を引き受ける。

まずメインキャストのリーア・ルイス、ダニエル・ディーマー、アレクシス・レミールの3人が本当に素晴らしい!多分、他の映画で見た記憶が無いのでこれから間違いなく売れていくでしょうね。てかディーマー演じるポールがめっちゃ可愛い。この3人の中で一番キュートだったよ笑。

まず冒頭からプラトンの『饗宴』の引用をアニメーションで分かりやすく描きます。人は不完全だからこそ自分の半身を探し続ける。この3人によるちょっと奇妙な三角関係の末に、3人は別々の道を進みます。一度は半身を見つけても別々の未来を見て別れを告げなければいけない。でもその出会いはきっと意味がある。希望に満ちたラストだと思います。

良い青春映画を観ると、また登場人物たちに会いたくなって繰り返し観ることがありますが本作もその一本になるかと。ちょっと中盤のエリーの歌声を聴いてからの、バカにしてた連中の手のひら返しが急に感じられましたが、まあ些細なことですね。

何より観賞後は自分も頑張ろうって本気で思えたことが素晴らしい。この映画の登場人物たちとは一回り以上年齢が離れてるけどまだまだ人生、夢を見つけて歩いていけるな…と。まさに面白いのはこれから!傑作でした!