柏エシディシ

ハーフ・オブ・イット: 面白いのはこれからの柏エシディシのレビュー・感想・評価

4.0
知的で軽やか、そして、とびきりユーモラスな新しい青春映画の傑作。

ラブレターの代筆ではじまる三角関係ラブコメディという既視感のあるプロットでありながら、こちらの予想を軽快に飛び越えていくプロットと演出がただ事ではない。

ヘドウィグ&アングリーチンチを想起させられるプラトンの饗宴「失われた片われ」の引用からはじまり、哲学や文学そして名画と響きあいながら、豊富なテーマやメッセージを含まれた知的栄養素満点のストーリー。
観た人とあれこれ話をしたくなる映画。
だからこそ、これから観る人の為に、極力内容は書きたくないw

誰もが「片われ」を求める「道半ば」。
絶妙なタイトル。
普段はあんまり関心しないネトフリジャパン流日本語副題も、鑑賞後には合点がいく。
「これからが山場だ」
きっと人生は映画の様に「めでたしめでたし」とはいかない。
それでも、そっと主人公たちと観客の背中を押してくれる様な、「映画が終わる時に、ほんとうにはじまる映画」
柏エシディシ

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