dita

タゴール・ソングスのditaのレビュー・感想・評価

タゴール・ソングス(2019年製作の映画)
3.0
@ 第七藝術劇場   

ゴダールじゃないよタゴールだよ。

とはいえ、はじめましてなタゴールさん(後で知ったけどヤスミン映画でも作品が使われていたのね)、インド音楽もインド映画も大好きなのに全く存じ上げずごめんなさい。超男前ですね。

という無知なわたしでさえ冒頭の100年前からわたしたちへのメッセージはグッときた。ことばそのものはもちろん、本物のことばは時を超えて伝わるものなのだと思った。あと、男前はいつの時代も男前なんですね。

とはいえ、詩はただの詩であり、歌はただの歌だ。なのになぜこんなにグッときたのか。発する人の思いと受け取る側の気持ちが重なったからだ。自らの思想を誰かのために形にし、自らの気持ちを誰かのために代弁する。特定の人だけでなくベンガルの人々みんな(ほんとうに皆知ってた)にとっての代弁者となったタゴール。「住む世界が違う」人なのにこんなにも近づきたくなる。知りたくなる。真似したくなる。優れた表現者はこの「真似をしたくなる」何かを持っている人だと常々思う。あと、やっぱり超男前ってのも憎いですね。

最後のほうはタゴールに寄っていくのではなく自身に寄せた話になってしまったのでうーん…となってしまったけど、なにはともあれ男前なタゴールさんを知ることができてよかった。詩集がほしいので誰か買ってください。ごめんなさい自分で買います。
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