東朴幕院

TITANE/チタンの東朴幕院のレビュー・感想・評価

TITANE/チタン(2021年製作の映画)
3.9
鑑賞中、幾度となく痛そうで顔を顰めたりしなければならなかったり、おいおいと薄笑いを浮かべたくなったりした作品。やはり『RAW 〜少女のめざめ〜』のジュリア・デュクルノー監督&オリジナル作品だと思ったね。
冒頭のシーンで生まれながらエンジン音に執着を持った少女が交通事故で頭部にチタンを埋め込む事となり、更には親からは薄い愛情しか得られなくなったと予想が出来るものだ。
その後の消防士のヴィンセントとの出会いは、欠如した父親からの愛情を埋めるかの様な行為は、究極のファザコン作品なのだと思わせてられたね。
しかし、それをこの様なエクセントリックな描写でなくてはならないのかと思ったのも事実。
タランティーノの『パルプ・フィクション』の時の様な熱狂と一過性を思わずにはいられなかった。
まるで『サイコ』の様な序盤と中盤以降で全く色の違う展開には驚かされるが、何処に連れて行かれるか分からない難破船乗った様な不安感を煽る力は十分にある作品だ。
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