さかこ

TITANE/チタンのさかこのネタバレレビュー・内容・結末

TITANE/チタン(2021年製作の映画)
4.4

このレビューはネタバレを含みます

天才
『RAW』がこれまでの映画体験の中でも特別なものだったから期待とともに不安も大きかったんだけど杞憂で済んだ
タイトルやあらすじで鋼のように硬質なイメージが浮かぶも実際は艶かしい肉体と炎のように燃え上がる愛の映画だ
「頭にチタンを埋め込まれた女が車とセックスして妊娠」は『クラッシュ』からの発展でも辿り着けるからまだ論理が理解できるんだけど、それが示されてからの道程がなんか頭で考えたようには到底見えなくて偶然の連続で生まれた領域の数珠繋ぎのように見えて予測不能で奇妙で、そのうえあんなラストシーンで閉じたもんだからあまりに感動して少し泣いてしまった
手前の設定からの連想でよく名前の挙がるクローネンバーグや塚本晋也よりパスカルロジェやギャスパーノエの革新性を感じたけど、頭脳に制御されたスマートな逸脱を見せてくれる点でチャーリーカウフマンやアンジェイズラウスキーの方が近いかもしれない
序盤のちくびピアスのとこがいちばん痛かった
さかこ

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