幕のリア

TITANE/チタンの幕のリアのレビュー・感想・評価

TITANE/チタン(2021年製作の映画)
3.8
幼き頃に受けたチタンのイニシエーション。
"RAW"から変わらぬメタモルフォーゼがテーマと思いきや‥
鉄男ならぬ鉄娘か、ビデオドロームならぬモータードロームか。
そんな想像がシーンごとに裏切られる先の読めない展開に。

油を血液としてエグゾースト音の雄叫びを上げる鉄の塊。
その偏愛の行き着く先は、周りを蹂躙することで命を長らえ死屍累々。
一方、過去に囚われた男は、自らを癒すことは叶わず、ケツにケミカルを充填し、神を宣い、強い父であるとマッチョに生きる。
欠落した二人の邂逅の成れの果ては。

こんな時代。
こっちの正義とあっちの正義は永遠に噛み合わぬ。
信じたものが見当違いだったとしても、真実には目を背け盲信は度を増す。

四半期過ぎて、ようやく今年初スクリーン。
強力バッドムービーに目眩。



今日の一曲

マッチョ親父が"ちょう待てや"と
なぜか踊り出すのがこの曲
あまりに哀れで笑死にしそうになった
曲名からチョイスしたのかな

The Zombies - She's Not There

https://m.youtube.com/watch?v=_2hXBf1DakE
幕のリア

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