このレビューはネタバレを含みます
"機械の子"
原色系の色合いが目を惹く作品ポスターに興味を持ち鑑賞。
フランスとベルギーによる共同制作の映画とのこと。
幼い頃の交通事故により、頭にチタンプレートを埋め込まれた少女・アレクシアが本作の主役。
事故から一命を取り留めたアレクシアだが、彼女が成人してもなおチタンプレートの"副作用"はじわじわと肉体と精神を蝕んでいく。
彼女を襲う「違和感」、そして「異変」を追体験するスリラー作品。
✏️神聖
スリラー作品はかなり久々に鑑賞したけど………
いや〜、またよくぞこんなもの作ってくれたな(褒め言葉)
鑑賞前、特にあらすじを読んだ限りの印象では「自身の身体に訪れる異変、そして周囲を巻き込んでいく狂気を描いたスリラー」だとばかり思っていた。
しかし蓋を開けてみればスリラー一辺倒でなく、親子愛もとい母子(父子)愛だったり、子を宿したアレクシアの人格の変化など…
「愛」や「誕生」。
なにやら「神話や聖書」にまつわる暗喩がふんだんに含まれてそうな感じ。
自分はそっち方面は全く明るくないので、断言はできないけども。
✏️これがホントの
カーセックス…ってやかましいわ。
チタンプレートを埋め込まれてからというもの、「車」に異常な執着を抱き、もはや「性的対象」にまでしてしまったアレクシア。
彼女の心境の変化というものも一筋縄では行かず見応えがある。
車の子どもを宿したということなのか…?
若干SF・ファンタジーチックな世界観も合わせ持つ。
✏️いたたたたた…
そんな考察しがいのある内容をやりつつも、スリラー作品としてのツボもしっかり押さえており、もう痛そうなこと全部やってる。
日常で起こり得る「痛み」の描写が巧みで、何度も顔をしかめてしまった。
チェーンソーで首を…!とか高圧電流ビリビリ…!よりも、こういった「想像できる痛み」の方が見ていてつらい。
☑️まとめ
やはりこういった神秘的というか、高尚な雰囲気を纏ったスリラー作品を100%楽しみ、考察するには聖書や神話なども網羅しておく必要があるのか…
と思ってしまうほど、ここに書いた以上の何かが眠っていそうな作品。
ちなみに海外では、本作のような「身体に起こる異変や違和感、突然変異」などを取り扱った作品ジャンルのことを「ボディ・ホラー」と呼ぶらしい。
今回初めて知った。