ラーチャえだまめ

TITANE/チタンのラーチャえだまめのレビュー・感想・評価

TITANE/チタン(2021年製作の映画)
4.0
『仏が「鉄男」をやったら「鉄女」になって結局コメディ映画になったの巻』





一体全体どんな内容の映画なのだ?調べてビックリ幼少期の事故で頭に「チタンプレート」を埋め込んでから金属アレルギーどころか「車と“肉体的”に交わろうとする」ワイスピのヴィンさんも反応に困る性癖の持ち主になってしまった娘!?監督は「RAW~少女のめざめ~」で目覚たのは姉妹揃ってカニバリズムだった斜め上を行く思春期少女のマインドとボディの変化をオカルティンティンに描いた女流監督ジュリア・デュクルノーと聞いて?一筋縄ではいかない作品なのはなんとなく勘づいておりましたが……いやちょっと話題は逸れるが「RAW」で見せた「思春期の恐れ」をテーマにした映画と聞いて、個人的にヨーロッパ映画のイメージが強く(「RAW」は仏映画)過去にも「ブルーマインド」や「テルマ」とか「獣は月夜に夢を見る」とか2010年代はぶっちゃけ似たような映画が量産された10年で当時「RAW」も「その中の一つ」くらいにしか印象に残らなかったかなー


いやービーチクに絡まった毛を思いっきり剥がすわ甘噛み以上に引きちぎろうとするわ前作「RAW」の主演女優に人を殺めた代償を次回作で償わせる鬼畜っぷりを披露するデュクルノー監督の開始早々の「容赦なさ」。具体的にあのシーンのここが……と言うより作品全体が「グロテクス」。いい意味で「悪趣味」、非常に毒っけが強く人によっては嫌悪感を抱くかもしれません。ただそれこそがこの監督の特徴というか(人に嫌悪感を抱かせる天才って何やねん)前作でも見せた「心とカラダの変化」を猛烈に(特にカラダの方が)変化させるのが非常にお好きなようで……この“肉体の変化”を俗称「ボディホラー」と呼ぶわけなんですが、それを極めたと言ってもいいデュクルノー監督が先日息子のブランドンの「ボゼッサー」で無事“二世誕生”を確信させられたデヴィッド・クローネンバーグの崇拝者だったという!?そうかそうか何か“生理的に無理ゲー感”はお方の影響を受けていたからなのか!と妙に合点がいってしまうというか


チタンとは文字通り金属元素の一つですが、その語源は古代ギリシャ語の「タイタン」から来ているらしい。故に先に言った妊娠や出産という“生命の神秘”的なものを、一見するとより神秘的に(この場合宗教的な意味で)描いているけど、それがどこか臭いというか深夜帯にやるコントみたいに見えてしまったのです。バカバカしくはないけど、いやその演出絶対遊んでるでしょ?マジな心境でやってないでしょ?みたいな。それをカンヌがバカ真面目に捉えたみたいな。実際出演陣も今作がまさかカンヌで最高賞を獲るだなんて思ってもみなかったそうです。作品には全力投球しても“真面目な映画”には決してカテゴライズされないだろうと。



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