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TITANE/チタンの一のレビュー・感想・評価

TITANE/チタン(2021年製作の映画)
3.8
『RAW 少女のめざめ』で鮮烈なデビューを飾ったジュリア・デュクルノー監督長編第2作

去年のカンヌ審査委員長を務めたスパイク・リーは、こんな映画が好みなのか…(褒めてます)と驚いてしまうくらい、良くも悪くも珍しいほどにパルムドール感が薄い分、なかなか強烈でパンチのあるではあったものの、クローネンバーグの『クラッシュ』という類似した作品が存在してる以上は、超ド級の変態映画を期待していたのでちょっと拍子抜けだった部分は正直ある

そうはいっても、原型はもろに『RAW 少女のめざめ』と同じ匂いがする作家性丸出しのぶっ飛んだイかれ映画かつ、スリリングで先の読めない展開を繰り広げてくれたので、個人的にはかなり好みでした

カオスで痛みの感じられるメタファーだらけの独自の表現、選曲やダウナーな音楽、なにより主演のアガト・ルセルさんの狂気をも感じる演技が、ヘンテコなB級作品にもなりえるような物語をグッと引き締めてくれていた

観終わった今でも、うーんこれがパルムドール?とは正直思ってしまうし、おそらく不快感というか気持ち悪い感覚になる人もたくさんいるので観る人はかなり選ぶだろうけど、ジュリア・デュクルノー監督は今後も期待せざるを得ないくらいの圧倒的なセンスをまざまざと見せつけられたディープな魅力に溢れる素晴らしい映画でした👏🏻

〈 Rotten Tomatoes 🍅89% 🍿85% 〉
〈 IMDb 6.6 / Metascore 75 / Letterboxd 3.7 〉

2022 劇場鑑賞 No.005
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