サラリーマン岡崎

TITANE/チタンのサラリーマン岡崎のレビュー・感想・評価

TITANE/チタン(2021年製作の映画)
4.5
自分の体がコントロールできない。
前作『RAW』では食人に目覚めてしまう少女、今作は車に性欲を覚えてしまう少女を描く。

自分の体がコントロールできないことなんてたくさんある。
自分だって頭の中ではやめておきたいと思っている欲望を持ってしまったり、
理想とする自分になれなかったり。
心と体が自分の中で戦っているのに、そこに社会の目が入る。
男だからとか、人間としてどうかとか、社会の記号に抑圧される。
そうやって、人はより孤独になる。

そうやって人にはわかってもらえないものを抱えながらも、
孤独はわかってもらうことはできるかもしれないとこの映画は伝えてくれる。
多くの人が孤独は持っている。
だから、全てわからなくても、その人が嘘をついていても、
その孤独を理解して、愛してあげることはできる。

だから、この映画は意味がわからないけれど、
最後とてつもなく感動してしまう。
これこそ、自分の体がコントロールできない衝動。