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河童の女のmasaのレビュー・感想・評価

河童の女(2020年製作の映画)
3.8
結局結末が回収されていない気がするけど、何故か観たあと幸せな気持ちになれる作品。

『カメラを止めるな!』などを生み出した、俳優・映画監督の養成スクール「ENBUゼミナール」が主催する「シネマプロジェクト」の第9弾。

川のほとりにある民宿に生まれ育った主人公の青年が、都会からやって来た訳ありの女性に惹かれていく。
監督は、本作が長編映画デビューとなる辻野正樹。
主演を青野竜平と郷田明希が務め、さまざまな作品に出演してきた近藤芳正らが脇を固める。
川の近くにある民宿に生まれた柴田浩二(青野竜平)は、ずっとここで生活し働いてきた。
ところが、経営者である父親(近藤芳正)が女と出ていってしまい、浩二は一人で民宿を続けることに。
そんな中、東京から来た美穂と名乗る女(郷田明希)が住み込みで働き始める。
美穂に惹かれる浩二は彼女とずっと民宿を続けていきたいと願うが、彼女はそれができないある事情を抱えていた…

主役の男女二人と脇役のバランスもいい。近藤芳正さんは流石の存在感。

結局それはどうだったの感は残るが、そんなものどうでもよくなるような映画のパワーがあった。民宿ものとして楽しく観た。

ラストのワシャワシャした強引な持っていきかたは、爽快さを感じる。
人生生きていくなかで嫌なこと辛いこと多々あるが、それを引っくるめて前に進んでいける、そういうメッセージと捉えた。
日常の疲れを癒してくれる素敵な映画。

間違ってもカメ止めのように社会現象になる映画ではないが、楽しめる作品。
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