ザ・ファイブ・ブラッズの作品情報・感想・評価・動画配信

「ザ・ファイブ・ブラッズ」に投稿された感想・評価

10000lyfh

10000lyfhの感想・評価

5.0
黒人の退役軍人グループが、現在のヴェトナムで私的ミッションを遂行しつつヴェトナム戦争を回顧。「地獄の黙示録」へのオマージュ(ワルキューレが不思議なタイミングで鳴ったが、相応しいシーンが本作中にはないので苦肉の策?)にして、黒人視点での返答(「地獄の黙示録」でミッション半ばで矢面に立って戦士する黒人兵 2人が、ヴェトナム戦争での黒人兵を象徴しているという解釈だろう)。「俺らと無関係な道義なき戦争を共に戦った。持っていなかった権利を求めてな (We fought in an immoral war that wasn’t ours, for rights we didn’t have.)」の一言に、黒人退役軍人の思いが集約される。

リーのシグネチャ、冒頭の歴史的画像・映像のコラージュは、1960年代後半のヴェトナム戦争と公民権運動関連が中心で、有名なものも多く、いつになく見応えある。黒人兵 5人組(Da Bloods)の生存者 4人と息子 1人の新 5人組が、戦死した隊長の遺骨と埋蔵金回収のため、ヴェトナムを奥深く旅するのがメインの物語。それを骨格に、現在でも PTSD に苦しんだりヴェトナム人から怨恨を向けられたりする退役軍人の実情が、赤裸々に語られる。さらに、トランプ支持の黒人退役軍人から、2組のフランス人とアメリカ人との戦争観の対比、今なおヴェトナムを苦しめる地雷、軍人と現地女性との間の子供の苦難の話まで、多くの要素が散りばめられている。メンバ 1人の救命に協力したフランス人地雷除去グループを直後に拘束したり(PTSD が影響?)、埋蔵金を巡って個人間やグループ間が醜い争いをしたり、見ていて辛いシーンも少なからずあるが、使命感と個人の欲望の間を揺れ動く人心が、客観的に描かれている。

ラストで埋蔵金は、世界をより良き場所にしてゆこうとする世界各地の複数の団体に分配され、国や人種を超えて前に進んでゆこうというポジティヴな終わり方。ナイーヴではあるが、作品中で多くの辛い現実を目撃した後で、前向きな気持ちにさせられる。ヴェトナム戦争を俯瞰しつつ未来を見据え、多層的で豊穣で力強くポジティヴな本作、リーの最高傑作に推す
ベトナム戦争の退役軍人たちのお話。
金塊見つけよーぜっていう軽い話から、思い出、後悔など、戦争時をまざまざと思い出させられる主人公たち。
良作
djrYo

djrYoの感想・評価

4.1
ストーリーだけみたらエンタメで成り立つ感じなんだけど、差し込まれるベトナム戦争や人種差別がとても重い。前半は珍道中的だったけど、地雷でブッ飛んでからは色んな問題が混ぜこぜに進んで悲しくなる。What's Going onの所がハイライト過ぎる。
これはすごい、、地獄の黙示録の再演、、、前半ほのぼの道中は人覚えられないし舐めてんか?と思ったけど折り返し戦場に引き戻されるところからは息を止めてた 忘れないし終わらない、キング牧師の時代からまだ重なり続ける傷、その大きなひとつにベトナム戦争があったということ…
そしてチャドウィック・ボーズマン…あぁ、見てよかった…
戦争って己が正義よね。「自分の国が正しい、自分の意思が正しい」がぶつかり合って人を殺す。
Blacklivesmatter に関しては俺は黒人はああいった暴動起こすことにあまり疑念を抱かないんだけど。ていうのも、虐げてあそこまで黒人を追い詰めたの白人のみんなじゃんか。だから、ああいった暴動に暴力で解決しないで話し合うってのもわかるんだけど、やっぱり何十年と虐げられて暴力振るわれてきた奴らだから仕方ないよな、同じことして何も悪くねぇよなって思う。
あと、個人的にスパイクリーの映画は素晴らしいと思った。ああいう、実際の映像流す語り部的な存在がいねーと風化しちまうからな。人間は馬鹿だから一回あったこと忘れてもう一度戦争しちまうしさ。
まあ、いい映画なんじゃねぇの。
m

mの感想・評価

3.7
流石ネトフリオリジナルなだけあるなーと感じた。
人それぞれ考え方はあるんだろうけど、戦争を経験していない人が、戦争のせいで心に傷を抱えた人を貶すようなことは絶対にしてはいけないと私は思った。
k

kの感想・評価

3.0
どうしてもウマが合わない人っているのと同じで、スパイクリーの映画は時々説明できない何かによって観るたびにいつも変な気分に。
Kazukidz

Kazukidzの感想・評価

4.1
戦争に勝者なんていなく、誰もが被害者であり加害者でもある事を、黒人目線を中心かつ多角的に痛烈なまでに問いかける衝撃作。葛藤や苦悩を抱えてながらも矛盾の中に生きている現代に対してのメッセージに受け取れる作品内容は生々しい。スパイクリーらしい戦争映画。
ゴッチ

ゴッチの感想・評価

3.8

このレビューはネタバレを含みます

ブラッククランズマンのレビューでも少し書きましたがここにきてスパイクリーまたキテますね〜。
小ネタやテンポといい、ちょっとタランティーノみを感じました。
元の脚本で白人だったベトナム帰還兵を黒人に変更、結果物語全体の厚みが増していてそのあたり流石スパイクリーだなと思いました。
ブラッズをいわゆる有名どころにしなかったためフラットにみれた気がします。ただポール役デルロイリンドーの鬼気迫る演技は凄まじかったです。
終盤ノーマンがポールを許す場面はチャドウィックボーズマンが撮影時どんな状態で演じていたのかを知った上観たのでより感慨深いものがありました。
実際にあった悲惨な出来事の映像や写真が出て、容赦ない展開かつ入りこんで密度もあるのでなかなか体力を使いましたが、最終的に着地するメッセージ含め今年鑑賞できてよかったです。
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