J四郎

アントキノイノチのJ四郎のレビュー・感想・評価

アントキノイノチ(2011年製作の映画)
2.5
さだまさし原作の小説の映画化。
主人公たちは遺品整理業の仕事をしていて、その中での青春物語であり
生と死をテーマとしている・・のだろう。

初日から岡田演じる主人公が遺品整理の現場の生々しさを見せつけられる。
最初っからエグい話をしたり、ほれ蛆虫見てみぃ~とかやられるが
一日で辞める人間が多いって、泰造!お前のせいちゃうんけ(笑)

この仕事とはちょっと違うが個人的に似たような事をしたことがあり
現場がGとの戦いってところはリアルさを感じた。
それだけにこの映画に対する評価はいつもより厳しめですぜ。
ああいう現場ではマスク装着でいかんとエラい目に遭うんですがね。
あと、この主人公みたいに感受性が強いとキツいものがあるかも知れない。

主人公の過去では染谷将太が出てきたり、松坂桃李が珍しく嫌な野郎の役で出ている。
吃音を抱えているうえに、あんな重い過去あったら心を閉ざすわな。
榮倉奈々のほうもヘビーな過去を抱えている。
この二人の青春ストーリーはそこそこ良かったと思う。

さて、そこまでの流れをブチ壊してくれるのがこのタイトルにもなっているアレですわ。
ユーモアで入れているのは分かるが、空気を読んでない感じがするし流れからしても違和感しか感じなかった。
あの言葉、もっと話やテーマと上手く絡めてたら印象が違ったろうに無理やりすぎる。

更に終盤、そこまで語られたテーマからは信じがたい事件が起きる。
人生一寸先は闇だけど、その人がってどうなんやろね。
しかもさっき書いたタイトルの某レスラーの名台詞を締めで使っている。
初対面の相手に、しかも第一声がそれってどないやねん。
狙ってんだろうけど俺は椅子からコケそうになった。

扱っている内容が繊細なものなのに他にも色々と突っ込みどころは多い。
出だしが良かったが、段々と説教臭くなってくるのもノレなかった。
ラストもあの展開もお涙頂戴のためだけにやってる感あるし・・・。
あとエンディング曲にさだまさしが来るのかな?と思ったけど、GReeeeNだった。GReeeeNも好きだけどちょっと違う気がした。

題材もテーマも良いものを扱ってるのに何か惜しい作品ですなぁ。
調理の仕方によっては名作になりえたのにもったいない。
けっしてつまらん話ではないけど、僕はダメでした。
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