ユートスカイウォーカー

グローリーのユートスカイウォーカーのレビュー・感想・評価

グローリー(1989年製作の映画)
4.5
これは南北戦争を描いた名作だ。

アメリカ至上初、黒人だけで組織された軍隊”第54マサチューセッツ歩兵連隊”の設立から、歴史的な戦いである”第二次ワグナー砦の戦い”まで連隊の苦悩と栄光を描く。
史実としてなかなか忠実に作られているようで、第54連隊を率いるロバート・グールド・ショー大佐など実在した人物が数多く登場する。

そもそも南北戦争とは、奴隷解放を目指すアメリカ合衆国(北軍)と奴隷制存続を訴えるアメリカ連合国(南軍)との間で起こった内戦のこと。
本作の第54マサチューセッツ歩兵連隊は北軍にあたる。

主演はショー大佐を演じるマシュー・ブロデリック、脇を固めるのは第54連隊のモーガン・フリーマンとデンゼル・ワシントン。
監督は「ラストサムライ」「ブラッド・ダイヤモンド」のエドワード・ズウィック。
「ラストサムライ」しかり、「戦火の勇気」しかり、ズウィックはこういった気高い作品を描くのが本当にうまい。

自分の置かれた軍人としての立場によって苦悩するマシュー・ブロデリックの表情がとても良かった。
言うまでもなく脇のモーガン・フリーマンと若きデンゼル・ワシントンは素晴らしい。
モーガン・フリーマンには存在そのものに説得力というか威厳というかそういったものを感じる。
またデンゼル・ワシントンの怒り、屈辱、切なさの籠った迫真の涙は心にグッとくるものがあった。

「奴隷ではなく、人として戦う。」

なぜタイトルが”グローリー"なのか。
アメリカの歴史において、奴隷制が廃止となる北軍の勝利とは黒人にとって大きな分岐点なのだろう。
この勝利がなければ、オバマ大統領は存在しなかったかもしれない。
この北軍の勝利に大きく貢献したロバード・グールド・ショー大佐と第54マサチューセッツ歩兵連隊がとった行動は”栄光”以外のなにものでもない。

奴隷制に対する黒人の思いを感じるには「ルーツ」や「アミスタッド」をオススメします。