たけちゃん

グローリーのたけちゃんのレビュー・感想・評価

グローリー(1989年製作の映画)
4.3
黒人ではなく、人間として戦う時だ!


エドワード・ズウィック監督 1989年製作
主演マシュー・ブロデリック、デンゼル・ワシントン、モーガン・フリーマン


勝手にお知らせシリーズ「今日は何の日」
今日、12月28日はデンゼル・ワシントンの63歳の誕生日です!


もう、63にもなるんですね……。
若い!
まだまだアクション頑張ってるし、尊敬します。
黒人スターというとシドニー・ポワチエに始まり、モーガン・フリーマンやサミュエル・L・ジャクソンなど好きな人はたくさんいますが、その中でも最も好きな俳優さんです。




さて、そんな今日、紹介するのは……。

デンゼル・ワシントンの代表作は多々ありますが、僕がデンゼルを初めて観た作品でもあるし、以前、「リンカーン」のレビューを上げましたが、南北戦争を扱ったものでもあったため、こちらもどうしても観なきゃと思っていましたので、今日はこれを選びました。「グローリー」。




これは実話に基づく作品です。



【南北戦争って、どんな戦争?】
南北戦争って「American Civil War」と言うんですよね。アメリカ人は、短く「The Civil War」って言うようです。文字だけ聞くと、キャップ~ってなる……( ¯−¯ )フッ

1861年から1865年にかけて、文字通り、アメリカを二分して戦い、南北合わせて90万人近くが亡くなった史上最大の内戦です。


アメリカの南部はプランテーションで知られる農業地域で、その多くを黒人奴隷によって支えられていたので、奴隷解放は死活問題。農業による自由貿易を求めていたことが、北部との亀裂の主原因なんですよね。


それに対する北部は、工業に支えられた地域で、自国の利益を守るためにも保護貿易を推し進めたいと思っていたところから、南部の自由貿易とは対立してしまうのです。また、新たな労働力を確保したい目的もあり、奴隷解放はその労働力獲得のためにも、必要だった。


北部の共和党出身のリンカーンが大統領戦で勝利すると、南部州が自分たちの立場を守るために戦端を開いたというのは、「リンカーン」のレビューで書いた通りです( ˘ ˘ )ウンウン



【閑話休題】
1865年と言えば、日本は開国して明治政府が発足しようとしていた頃ですよね。1853年に黒船でペリーが来航し、開国を迫りますが、世界との差が凄い!戦い方が違いすぎますね。その後の戊辰戦争で一気に政府軍は近代化するわけです。そりゃ、幕府軍は勝てないわ。






さて、映画ですが、マシュー・ブロデリックが扮するロバート・ショー大佐が率いたアメリカ初の黒人部隊、マサチューセッツ第54連隊の歩みが描かれた作品です。


実は、この当時、黒人奴隷は人ではなく、所有物であり、白人の資産でもあったので、自分の意志で軍隊に入ることすら許されてなかったんです。映画冒頭に、戦の跡を処理して廻るモーガン・フリーマンのシーンがあるんですが、そんなことしかできなかった時代なんですね。



映画では、今日の主役、トリップ役のデンゼル・ワシントンが本当に素晴らしくて、感動します!

特に、靴を手に入れたくて、部隊を抜け出し、捕まったあとに鞭打たれるシーンは泣けます(T_T)


今作は僕のデンゼルとの出会いの作品で、彼のことは全く知らなかったのですが、一気にファンになりましたし、その後、アカデミー賞助演男優賞を取るに至るや、ずっと付いていきます!って感じでしたね\(^o^)/



そして、もう1人、モーガン・フリーマンです。
黒人の良心とも言うべき役柄で、役の中でも、白人のショー大佐と黒人兵士たちを繋ぐ、かすがいのような存在でした( ˘ ˘ )ウンウン


一番好きなシーンは、明日、死ぬかもしれないという戦いの前の夜、みんなが火の周りに集まって、ゴスペルを歌うんです。「Lord、Lord!」と声を合わせ、祈りを捧げるシーンが本当に好きなんですよね。あぁ、こんな風に歌と信仰が重なっていたんだなぁと実感するシーンでもあります。

ゴスペルって「Good Spell(福音)」のことですが、白人に差別されながら、いつか自分たちに神の福音がもたらされることを信じ、日々の辛さを歌と共に祈り捧げ、克服していく様が偲ばれますね。



ラストのワグナー要塞戦では、南部軍が150名ほどの死者だったのに対し、北軍は、実に10倍にもなる1500名以上が犠牲となりました。その中にはショー大佐を含む、第54連隊の犠牲者が多かったのは言うまでもありません。

この戦いでの第54連隊の活躍により黒人部隊が正式に認可され、このあと、18万人の黒人が志願するんです。それにより、北軍は一気に数的優位を獲得しました。北軍の勝利は彼らに寄与するところが大きい。
それにしても、犠牲が大きいなぁ(T_T)


観終わったあと、心にグッと来ること間違いなしです(。・ω・。)ゞビシッ!!