よーだ

哀愁しんでれらのよーだのレビュー・感想・評価

哀愁しんでれら(2021年製作の映画)
3.0
市役所の児童福祉課に勤める小春(土屋太鳳)は、仕事でトラブルを起こし、祖父の持病が悪化し、家が火事になり、父が失業したその日に、彼氏と職場の先輩が浮気している現場を目撃してしまう。失意の中で夜の街を彷徨う小春は、踏切の上で酔い潰れていた大吾(田中圭)を介抱する。


◆しんでれらストーリー

何もかも上手くいかないドン底の小春が命を救った男性は、開業医のシングルファーザーだった。持病が悪化した祖父には大病院の個室を。職を無くした父には新しい就職先を。大学を志す妹の家庭教師を引き受けて、浮気した恋人と職場の代わりに妻と母親としての役割を与えてくれた。

白馬に乗った王子様じゃ無くて、
外車に乗ったお医者様。

家が焼けて〝灰かぶり〟となった小春が出会ったのは、お医者様だった。何もかも上手くいかなかった事が嘘の様に幸運が舞い込むけれど、禍福は糾える縄の如し。王子様なんかじゃあなかった。インパクトのあるジャケットのような違和感が、徐々に明かされていく。


◆子供の人生は母親の努力で決まる

☑︎ 幼い小春を振り払い家を出ていった母。
☑︎ 虐められていた大吾を助けなかった母。
☑︎ 不倫をした末に亡くなったヒカリの母。

そして、その影響を異常なほどに強く受けた子供たち。普通と異常の境界が崩れ落ちる不協和音が気持ち悪い。

愛情と迎合、教育と洗脳。紙一重の境界を超えてしまったグロテスクな家族の形を目の当たりにした。

〝女の子はみんな幸せになれるか不安に思っている〟らしいけど、幸せの基準なんて人それぞれなんだという事を製作陣はよく理解していたんじゃないかな。大吾の幸せは、娘のヒカリ(COCO)を決して否定しない事。ヒカリの幸せは、みんなに心配してもらう事。そして小春の幸せは、狂った家族に溶け込む事。

どう考えてもバッドエンドに映るラストなのに、この三人にとっては最高のハッピーエンドなんだろうな。


こうして、しんでれらは、幸せに暮らしました。