かぼちゃん

哀愁しんでれらのかぼちゃんのネタバレレビュー・内容・結末

哀愁しんでれら(2021年製作の映画)
2.9

このレビューはネタバレを含みます

雰囲気は良いんだけど、本当に雰囲気だけの映画だったなという印象。

大風呂敷を広げすぎたのか話がとっちらかっていて、端的に言えば雑。
そもそも『シンデレラ』をタイトルに持ってくる意味がよく分からなかった笑

シンデレラのような不幸な境遇の主人公が王子様に出会って結婚。
めでたしめでたし……その後のお話ってことだよね?

家庭を捨てた母親への思いがトラウマになっている主人公。
ある日負のピタゴラスイッチが起こり、踏んだり蹴ったりなところに、妻に先立たれた子持ちの医者と出会いスピード結婚する。
けれど子供は癖が強いし、夫も人格が歪んでるし、思い描いてたんと違うんですけどって流れまではテンポが良かった。

そこからの展開が残念。
妹の受験、友人との関係、子供がやらかしたことなどなど、結局どうなったの?っていう疑問が多々残る。
姑が何度か登場するけど、あの程度の嫌味っぽくてデリカシーのない姑なら世の中たくさんいるし、主人公に意地悪する訳でもない。
どの登場人物も背景が弱いし、薄っぺらいんだよね。

だから主人公の人格が恐ろしいアイデアを思いつくほど急変するのも不自然というか笑

他にも夫の亡き前妻が本当に悪だったのか否か、そこら辺は台詞による説明だけ。
主人公にトラウマを与えた母親も一瞬の回想だけだからどういう経緯があったのか不明。

まだまだ気になるところはあるんだけど、言い出せばキリがない。

ただラストだよラスト笑。
突拍子のなさに困惑しかなかった。
夫婦2人であれだけのことできる?って感じだし、あんなに登場していた担任と校長はどこに消えたんだろう笑

絵的にはショッキングだし、最初にも書いたけれど作品の雰囲気は良いの。
土屋太鳳、田中圭、子役の女の子の狂気じみた演技もすごく良かった。

でももう少し丁寧な脚本だったらなーと残念な気持ちが残った。