タカ

ドキュメンタリー沖縄戦 知られざる悲しみの記憶のタカのレビュー・感想・評価

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あなたにとって沖縄とは?

キレイな海
首里城
名産品
方言

観光地
気さくな島民
米軍基地
GHQ占領
国内唯一地上戦のあった地

80余年前、この国に戦争があった
枢軸国と連合国の覇権争い
相見える日本とアメリカ
戦火が広がるとともに明白になる日本の劣勢
最終局面に近づき見えてくる本土決戦
食い止めるための最後の砦……と言いつつも
いやはや実情は時間稼ぎの捨て石
軍事的判断のもとに翻弄され切り捨てられた土地
それが沖縄だった

当時を知る語り部はわずかとなり
子供時代の記憶を辿るおじぃとおばぁ
対馬丸で起こったできごと
赤子を抱えて避難した経験
二つのガマにおける判断のちがい
集団強制死という壮絶な選択
語られる過去はすべて想像を絶する
どんな陰惨で憂鬱なフィクションよりも
実感を伴った経験談に物事の重さを感じる

敵対する対象への憎しみよりも
際立つ内情の異常さ
判断の土台となる価値観を
偏執的な教育によってねじ曲げれられて
個人本位の決断は許されず
お国のためという一点だけを突き詰め続けた
ある種、国単位の洗脳
どうすることができるというのだろうか
寄るべはない

8月に鑑賞したまま何も書けずにいたけれど
今のうちに感じた思いを残しておきたい
語られる記憶
映される記録映像
そのすべてが戦争なんか間違っていると伝える
きれいごとなんて好きじゃないけれど
こと戦争に関しては
過去の経験値を無駄にせず風化させず
留めていくことができれば
世界中の共通認識として争いを憎み
平和をもたらせることができるんじゃないか
手を取り合うことができるんじゃないか
そんなきれいごとがきれいごとじゃなくなる日がきっといつか来ると
そう確信している
タカ

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