ぶみ

いのちの停車場のぶみのネタバレレビュー・内容・結末

いのちの停車場(2021年製作の映画)
2.5

このレビューはネタバレを含みます

現役の医師である南杏子が上梓した同名小説を、成島出監督、吉永小百合、松坂桃李、広瀬すず等の共演により映像化したドラマ。
東京で救命救急医として働いていた主人公が、ある事件の責任を取り退職、実家のある金沢の在宅医療専門「まほろば診療所」で勤務する姿を追う。
主人公咲和子を吉永、診療所の訪問看護師を広瀬、主人公を東京から追いかけて来た青年を松坂、診療所の院長を西田敏行、咲和子の父親を田中泯が演じているほか、みなみらんぼう、小池栄子、泉谷しげる、松金よね子、石田ゆり子、柳葉敏郎、森口瑤子、南野陽子等が出演と、豪華キャストが勢揃い。
冒頭、咲和子が救急医として最前線の現場で働く姿は、思わず目を背けたくなるようなシーンもある臨場感溢れるもの。
舞台を金沢に移してからは診療所にて奮闘する姿が描かれ、様々な患者が登場し、短編集のような構成で展開していくが、いかんせん登場するケースが多く、それに対して尺が短いため、どうにも一つ一つのエピソードが薄く、感情移入できないのは致命的。
また、実年齢が同じである吉永と田中が親子役というのは、いくら吉永が若く見えるとしても、些か無理があったのではないかというのが率直な印象であり、演技は当然皆満足いくものだが、ミスキャスト感は否めない。
在宅医療や安楽死といった重いテーマを扱っており、伝えたいことは伝わってくるものの、妙にブレるカメラや、台詞くさい台詞、詰め込み過ぎたエピソード等々、映画としての前のめり感が台無しにしてしまっている一作。

もう少し一緒に考えませんか。

〜A Morning of Farewell〜
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