吉田ジャスティスカツヲ

ヤクザと家族 The Familyの吉田ジャスティスカツヲのレビュー・感想・評価

ヤクザと家族 The Family(2021年製作の映画)
4.8
鑑賞前のイメージでは、ヤクザ"で擬似的な"家族。
鑑賞後のいまの印象は、紛れもなく"ヤクザと家族"な作品でした。


とにかくいつも思うのですが、参加する仕事を選んで欲しい綾野剛。
今作においては【ファンならば是非ご覧ください】な仕事ぶりですよ👍
若造で何も持っていないけど血気盛んな時代に始まり…
経験も重ねる円熟期…
そしてシビアな現実と向き合う切実な終末期と【20年間を3パートで描く構成のなか、全部自身が演じました】主人公と時代の関係を鮮やかに描きます。

彼による20年の変化も驚くほど的確なのですが【3つの時代のムードを分ける演出や撮影が効果的で】若き俊英監督の堂々たる仕事っぷりに感心しきりですな🤔


「反社」として世の中から疎まれるヤクザの世界。

濃すぎる家族関係を重ね、誰もが抱く(不謹慎ですが)任侠道なカッコ良さを全編に漂わせつつも…
【当事者以外に向けられる不当な差別や偏見】が冷静に突きつけられるので、2021年のコロナ禍の社会と重ねて観ずにはいられません。
そんな意味ではきっと、撮影中は全然意図しなかった部分でも、時代に寄り添う感覚が生まれましたね😱


減点要素としては…コレはもう難しい部分なのですが…
綾野剛だからできた【三世代の描き分けを、周りの他の共演者にも課すには無茶なヒト】がチラホラ😅

映画をご覧頂いた方ならご理解いただけるかも。
その俳優さんは私も好きですが、2幕目のヒロインとしては…ど…どうかな…😅