映画館は断念して家での鑑賞待ちとしていた本作が、まさかの上映終了直後のNETFLIX配信。
こんなに早く観られるとは思わなかった。過去の慣習に捕らわれず我々視聴者の期待に応える同社の戦略は流石。
今後益々映画館と配信の差がなくなってくるのだろうと実感。
で、本作。
同時期に同じくヤクザを題材とした西川監督の『すばらしき世界』が、一人の人間にフォーカスして徹底的に内面を描きながら本質をえぐり出す、ある意味トリッキーな作品だったのに対して、こちらは言うならば普通な作り。
一人の人間の半生を描くことでヤクザというものの時代に伴った変化を浮き彫りにしていく。
『すばらしき〜』は一点集中型で深みを醸成出来ていたが、本作は幅広で語った為、語りについては少々浅めで想定内な印象。
特に、終盤の展開が私的には腑に落ちず、感情移入の妨げになった。
総論として、ヤクザ稼業を営んでいた人の生き方に対する問題提起にはなっていたが、解決提示までには至らず。ここも『すばらしき』が一枚上手か。
お話に直接関係ないが、前半はシネマスコープ画角で後半から4:3画角になるという中途半端なトリックにより配信上の問題かと気が散ってしまった。(途中で一度繋ぎ直しました。。)
また、いかにもドローン使って上から撮ってますといった、自己満足的なアングル多用もマイナスポイント。