令和版ヤクザ映画の悲哀、ここにあり！
昭和『仁義なき戦い』〜
平成『アウトレイジ』
そして時代は令和へ。
ついにヤクザ映画に終焉の時がきた。
「義理と人情」は化石となり、令和はSNSと正論の時代。
スマホの画面に感情はなく、はみ出せば炎上し、「正しくない人」を許さない。
不寛容社会は、一度排除されたら簡単には復帰できないのだ。
令和の成功者・木村翼が、動画撮影しながら組長・加藤と対峙するシーンが好きだった。
昭和 vs 令和 ね。
やっぱり昭和のおっさん（私も昭和勢）より、令和の若者のほうが強く見えちゃうのが、悲しいような頼もしいような。
2019年シーンは、いろいろな関係が破壊されていき苦しいが、ラストにかすかな希望が見えたのが救いだった。
そして小宮山莉渚ちゃんという女優の子がかわいかった。
照明が暗すぎるというわかりやすい演出は『新聞記者』のときも感じたが、わかりやすいから悪いという訳でもないので、別にいいと思う。
不自然さより、演出を取ったというだけのこと。
公開：2021年
監督：藤井道人（『新聞記者』）
出演：綾野剛、舘ひろし、磯村勇人、尾野真千子、北村有起哉、小宮山莉渚
