張り詰めたものが、見事にエンドロールの終わりの終わりまで続く、類稀なる映画。
ヤクザの盛衰を三つの時代に分けて描くこの作品は、「変われないものは絶滅する」が地で伝わるものであるが、それでも絶滅危惧種に救われた人生がある者が語り継いでいくことで残るものもあるわけで。
時代に置いていかれることの切なさを感じつつ、「そんなに悪い人じゃないんだよ」が一切通じない強すぎるレッテルを「理不尽」とは感じられない自分のリアルな価値観も感じる。
「義理人情」というぼんやりしたものでご飯を食べられていた時代が完全に終わったと、あまりにもデジタルな現実を突きつけられた今、少々の安堵と、それより少し多めの焦燥感がある。
この作品が今後の自分の人生でどういった糧になるかはまだわからない。
きっと「流れ」についていけなくなった時、柴咲組の曇ったドアを思い出すのだと思う。