Maho

ヤクザと家族 The FamilyのMahoのレビュー・感想・評価

ヤクザと家族 The Family(2021年製作の映画)
3.7
人情ってこういうことなんだなってすごく感じた。人情っていうものはヤクザという存在が追いやられると同時に一緒になくなっていってしまったものだなと。今の日本では誰かのために命を落とすとか、殿のために切腹するとか、親分を命をかけて守るとかそういうのないだろうなって。
もはや自分の親ですらそこまで命をかけて守れる人がどれだけいるのか。
みんなそれぞれに自分の今を精一杯生きてて、そこに生まれた絆があって、それを守るために必死なんだっていうことが本当に伝わってきた。
それが正しいのかどうかなんて誰にもわからない。だから、自分が守りたいと思ったものをとにかく守る。全部をいいことにはできないようにできてる世界なのかなっていう残酷さと、それでも希望はあるのかなって思わされるような映画でした。

綾野剛さんの魅せる弱さっていうのが震えるような、傷を負った小鳥のような、すごい良かったです。

磯村勇斗さんの闇を抱えながらも強く若く前を向き自分を貫き通す感じがカッコ良かったです。
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