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ヤクザと家族 The Familyのピロシキのレビュー・感想・評価

ヤクザと家族 The Family(2021年製作の映画)
3.5
北野武の映画もそうだが、ヤクザの世界は浮世離れしすぎていて感情移入が難しい。個人的に悪い思い出があるわけでは別にないけれど、たとえヒューマンドラマとして良作だったとしても「ヤクザをカッコよく描く」作品には、どうしても乗り切れない自分がいる。そういう点では、この作品と、同時期に公開されていた西川美和の『すばらしき世界』は、ヤクザを取り巻く環境や受容れる社会の変化に、正面から向き合っているように見えた。ただ、ヤクザが足を洗ってカタギの社会へと戻ることの困難さや厳しさが際立っていたという点において、個人的には『すばらしき世界』のほうが見応えがあると感じた。

それにしても、ヤクザと「家族」というタイトルに留まらず、わざわざそのあとに「The Family」とまで付けてしまうセンス。綾野剛を主人公としながらも、実際には舘から磯村へと繋がる3つの世代にまたがる壮大なストーリー。なんだろうかこの、ゴッドファーザー感。
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