tak

トッツィーのtakのレビュー・感想・評価

トッツィー(1982年製作の映画)
4.2
初めて観たのは高校時代。映画ファンを自称するようになった頃。三者面談で「映画なんて高尚な趣味は…」と担任に批判されて、親の前で先生を論破しようと熱弁をふるったおバカだった頃(恥)。新作「トッツィー」はお気に入りの映画だった。地元の映画館で鑑賞。リチャード・プライヤー主演「おもちゃがくれた愛」と二本立て。2022年9月にBSプレミアムの録画で再鑑賞。

初鑑賞当時、まだ数年の映画鑑賞歴でしかないのに、主要キャストの出演作を何かしら観ていた。過去に観た映画でのイメージがあるから、あの人がこんな演技を!こんな役を!すげえな役者って!と感激。俳優で映画を観る楽しみと映画を観続けることの面白さを実感できたのだろう。

ダスティン・ホフマンは中学3年で「卒業」を観て(おマセ?)以来のファンだったし、ジェシカ・ラングは「キングコング」、ダブニー・コールマンは「9時から5時まで」、テリー・ガーは「未知との遭遇」、ルームメイト役のビル・マーレイは「パラダイス・アーミー」を観ていたし、チャールズ・ダーニングはいろんな映画で脇役やってる。見たことのある顔ばかり。特撮の添え物みたいに言われていたジェシカ・ラングが、等身大のヒロインで素敵だった。

ラストの
「あの黄色い服貸してよ」
のひと言で涙🥲。ストレートに「わかった、許してあげる」とは言わない。昔の映画は台詞が粋なんだよね。
「私、意外と男に詳しいのよ」
そりゃそうだ!🤣観客だからわかるひと言。こういう仕掛けは観ている側の気持ちをアゲてくれるね。ダブニー・コールマンは「9時から5時まで」と同じく、また女性の敵みたいな中年男役やってる!。以後このイメージで僕の中で定着したw
「どうりで俺に魅力を感じないわけだ」🤣

演出家に口応えばかりする頑固な俳優マイケル。2年間失業中の彼は、仕事を得る為に、女装してドロシーと名乗り、ソープオペラ(昼ドラ)の出演を勝ち取り、一躍人気者になってしまう。その一方で共演者ジュリーに恋をしたマイケル。果たして恋の行方は、彼をめぐる騒動の結末は。

マイケルがやったことは決して褒められたことではないのだけれど、ラストで彼が「女装して男として成長した」というのは間違いじゃない。それは今まで自分のことばかりだった彼が、人の痛みや思いを知る経験でもあったのだ。映画だから許される話だとは思うが爽やかな結末が素敵だ。やっぱりダスティン・ホフマンの演じるちょっと情けない男が好きだ。

音楽はデイブ・グルーシン、主題歌It Might Be Youはスティーブン・ビショップ。楽屋が相部屋になる下着姿の女性ジーナ・デイビスだったのか😳
tak

tak