自衛隊クーデター。
占拠されたイージス艦
首都東京は疎か、
ミサイルの射程内
全ての日本人が人質に。
福井晴敏原作。これも売れに売れてた頃の作品。戦後日本とは…日本人とはを問いながらも、圧倒的スケールと政府スパイ組織DICEと自衛隊、クーデター部隊、暗躍する某国部隊の戦いを描く原作はダントツ面白い作品。更に…真田広之、中井貴一、寺尾聰、佐藤浩市と当代きっての豪華布陣。更に監督は名作どついたるねんの阪本順治。しかも自衛隊がバックアップ。これならいくら何でもイケるだろと…。
…あれ…。
う〜ん、ダイハードと沈黙の戦艦の劣化版…。まぁ確かにこう言う話だけれども…。原作はかなり長い話でバックボーンがかなり厚めに描かれてるし、丁寧なんだよな〜と改めて原作に関心。
確かに主人公に少年工作員が出てくるけども…前髪クネオこと勝地涼デビューですわ、荷が重すぎる。しかもDICEの佐藤浩市に至っては活躍がない…。ブルース・ウィリスポジションの真田広之の役もアクションができるってことでの起用なんだろうけど、ミスマッチ…。原作ではもっとおっさんですよ。カッコ良すぎなんです。敵役の中井貴一も今ひとつかな〜。
福井晴敏の世界観は虚構を丁寧に積み重ねて描いてリアリティを出すんで、短い2時間の映画は向いてないのかなと。本来駆け引きや過程をきちんと書き込まないと薄っぺらくなるんですよ。映画的にアクションで見せようとしても、邦画レベルでこれをやっても先駆者がハリウッドですから見栄えがしない…。比較されちゃいますから。
原作が好きだし、ストーリーは面白いはずなんで、やりようによっては、撮り方によってはもっとできる作品ですよ。最近某国がきな臭いのでリメイクしたらどうなのかな…。