ジャックシューチャー

海の上のピアニスト イタリア完全版のジャックシューチャーのレビュー・感想・評価

3.3
1900年代初頭、ヨーロッパとアメリカを行き来する豪華客船。
その船の中で産まれ捨てられていた赤ん坊がいた。
船員たちが親代わりとなって育てられた彼にとって、船の中は世界の全て。
やがてピアノに出会い才能を開花させていき、海の上のピアニストになるのでした。

本作はトランペット奏者のマックスという人物の視点から物語が語られるのですが、どこかおとぎ話や寓話のような語り口になっており、且つエンニオ・モリコーネの素晴らしい音楽の効果も相まって観ていてとても心地が良いんです。

人生で船から一度も降りたこともなく世界を知らないピアニスト。
一方で魂の結晶でもあるトランペットを売り飛ばすほどお金が無く落ちぶれたマックス。
ふたりは親友同士なのですが、時代の混乱と共にそれぞれ人生とどう向き合っていくべきなのか悩んでいくことになります。

その悩みにピアニストがある結論を出すのですが、それに対しマックスは大きく動揺します。そして動揺しながらも歩き出したあのラストシーン!
エンニオ・モリコーネの曲が流れ出すと同時に涙が止まりませんでした!

その時彼の手には何があったのか。これは結局誰の物語だったのか。
思い返すとまた涙が止まらなくなる!

人生やるせないけど向き合っていかなければならない。
そのための、なけなしでも勇気を与えてくれるようなそんな映画です!

今回は完全版ということで長尺に正直少しダレる所もありましたが、名作であることは確かです!オススメです!