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あのこは貴族のくららのレビュー・感想・評価

あのこは貴族(2021年製作の映画)
4.3
東京以外の世界を知らないお嬢様 華子、地方の貧しい家で育った美紀、政治家一家の名家出身の幸一郎、自分に近い誰か1人に感情移入しそうだけど、3人それぞれの気持ちの揺れ動きが丁寧でどんな立場でも苦悩があるんだなとみんなに共感できた。
私は地方出身東京在住なので、特に美紀の同窓会や弟の結婚式が分かる!と何度も頷けてちょっと苦しくなった。

周りがみんな結婚して子どももいる中で一緒にいるのは辛いけど、友達がいなくなるのも嫌だし、妥協して結婚もしたくないし、楽しく生きるって本当に難しい。
でも美紀がベランダで話してたように、華子と美紀にはそれぞれ逸子と里英という気を許せる友達が1人いて、それってめちゃくちゃ幸せなことだし奇跡なんだよな。と思うと幸一郎が何かしてあげたいという華子に「結婚してくれただけで嬉しい」って言った言葉が切なくなった。

華子がジャム瓶に指を入れて食べるシーンや逸子がパーティでマカロンタワーのてっぺんを食べるシーンも印象的。
主人公2人のキャラクターだけじゃなく、その友達も素敵で逸子と里英の物語も知りたいなと思った。
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