順慶

あのこは貴族の順慶のネタバレレビュー・内容・結末

あのこは貴族(2021年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

「あなたのことこっちで調べさせてもらいました。この話、進めてもらっても構わないから」
その後、庭の池に石を投げ続ける幸一郎(高良健吾)。「興信所じゃない? そういうの当たり前じゃない?」って、恐ろしい階層。でも、親族の挨拶の華子の所作はさすがの上流階層。

華子(門脇麦)は意外に婚活に積極的で、いろんな紹介で男性と会う。華子とまったく不釣り合いだったり、かなり上から目線だったり、階層がかなり下だったり、コメディのような展開で笑えた。
そこにいきなり幸一郎で、華子はすぐ惚れる。幸一郎と会話もろくにできないくらいに。

そして地方出身の下の階層の美紀(水原希子)と華子は、あることがきっかけに出会う。
バチバチの緊張感をどこかで期待したが、いい関係になっていく。なるほど。シスターフッドムービーか。

華子は知らない名前を見たら、すぐにFacebookでその人のことを調べる。そして家では、いちごジャムを瓶から指でなめる。そんな一面もあるんだと安心する。

結婚か仕事か。登場するアラサーの女子たち。世間的な見られ方は、上流階層たちにとって、より意識的だ。
そして女性同士の出会いのなかから、自己肯定感を得て、世間の視線から解放されていく。とても楽しそうな華子の笑顔は、気持ちのいいラストだった。
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