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あのこは貴族のknのネタバレレビュー・内容・結末

あのこは貴族(2021年製作の映画)
5.0

このレビューはネタバレを含みます

とても良かった。
花子がはじめてタクシーに乗らず歩いて帰るシーン、美しかった。
自立したい、って話は女性目線から描かれているし、実際に女性に向けられた話なのかもしれないけど、男女問わず人間としての、自分の足で世界を歩く喜び。私は大事にしたいと思った。
石橋静河さんとてもよい。なぜ花子とか、他の同級生と同じような育ちで、あのバランス感覚、世界を観る目を早いうちから持てていたんだろう。どうやって、マカロンタワーのてっぺんをつまみ食いできる小さくてチャーミングな、レールを外れることを恐れない勇ましさを獲得できたんだろう。
花子が自立への欲求に目覚める過程が読み取りきれなかったけど、自分の足で歩いて帰るくらいで終わりかな、そういう柔らかい終わりも爽やかでいいな、とか思ってたら平手打ち。そして最後は本当に爽やかに自分の足で立ってた。復縁とかも描かれない。そういう意味で言ったら孝太郎も孝太郎で、彼なりに自分の足で立ってるんだけど。
水原希子の方もそうだけど、女性のハッピーエンドが恋愛ナシちゃんと描かれてるのが頼もしい。恋愛的に大切な人がいるのは素晴らしいけど、人は恋愛に頼らなくても幸せに笑える、笑いたいと思わせてくれる水原希子の自転車漕ぎ。山下リオも良かった。ずっと言ってもらいたかった、一緒に起業すること、っていいなーーーー。
上流階級もいわゆる地方の民も、レールから外れられない人の本質、やってることは同じなんじゃないかって気づき面白かった。
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