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あのこは貴族のradioradio526のレビュー・感想・評価

あのこは貴族(2021年製作の映画)
4.0
「内と外、上と下…貴族と庶民」

「あのこは貴族」鑑賞。

東京で暮らす全く生き方の違う同世代の女性二人、華子と美紀。
何不自由なく育てられた華子は結婚が決まっていた男性と別れてしまい人生初の岐路に立つ…その後「結婚こそ幸せ」と考える華子は紹介で弁護士で家柄も良い幸一郎と付き合い始めるが…。
一方、富山から上京して大学を中退した美紀は仕事も恋もうまくいかずに生き方に疑問を感じていた。そんな二人が邂逅を果たすことで様々な価値観が変わっていく。

外と内は地方と東京。
「東京というところは上流は上流としか知り合わない…そう出来ている」
大学の内部進学の女子に誘われてホテルのアフタヌーンティーに行く…メニューの金額で思わず顔を見合わせる…なんてのは交わることの無い二重構造を鮮明にするメタファー。

華子という箱入り度の高い女性はどこかしら夢みる夢子であり、流されていく過程で不安や疑問すら流していく…つまりはそれこそが上級の証と言わんばかりに。
「東京にどれくらい搾取されたんだろ…この街はうちらの養分で出来てんだよ」という外側(美紀)の台詞は嘆きには聴こえない。
逞しく生きていく美紀に奇妙で緩やかな妬みを覚える華子の決心とは…。

2月封切でまだやってるんだから評判が評判を呼んでのロングラン上映。ヨーロッパ映画のような静かな群像劇、評判良いのも納得。

門脇麦のお嬢様…こんなにハマるんだね。ちょっと抜けたところのある雰囲気が上手過ぎる。
石橋静河の「実在しそう感」も凄い…上流の中のアウトローというべき微妙な役柄を完璧に演じている。