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あのこは貴族のikekoのネタバレレビュー・内容・結末

あのこは貴族(2021年製作の映画)
4.2

このレビューはネタバレを含みます

地方生まれ、地方育ちの私にとっては想像がつかないまさに「貴族」のような人たちがすごく新鮮だった。自分は家柄とか、実家の経済力による格差みたいなものをあまり感じずに生きてきたので、本当にこんな階層のようなものが東京にはあるのかとびっくりした。

でも、家にお金があって何不自由なく過ごせていても、それは華子にとっての幸せではなかったのだなと思った。
良家の男性と結婚し、子供を産むというような周りが望む生き方を選ぶのは華子にとって自分らしさもなく、ただ敷かれたレールに沿って生きるだけの窮屈なものだったのだろう。それに美紀との出会いで気付き、勇気を出して行動したことがよかったと思う。離婚前のいつも周囲を気にして萎縮している華子が、離婚後いきいきとしている姿が雰囲気や佇まいからも感じられた。

また、美紀も努力して入った大学を中退し、なんとなく生きていたところから起業して自分の未来を切り拓いていく姿がかっこよかった。

美紀と華子、全く違った環境で生きてきたふたりの女性が自分らしく生きていくラストはとても良かったと思う。幸せは人それぞれ違うから、自分の幸せは自分で見つけていくしかないんだと改めて感じさせられた。

また、脇役の石橋静河、山下リオの役柄もすごく魅力的だった。
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