shiho

あのこは貴族のshihoのレビュー・感想・評価

あのこは貴族(2021年製作の映画)
3.8
あらすじを見る限り『東京女子図鑑』的な、まるで数年後の自分を見ているかのようで、共感生羞恥に苛まれ、自分の自尊心を削られそうな恐ろしい映画だと思い見れていなかったけれど、意外にも爽やかな映画で拍子抜けした。こういう映画好きだ。

私自身、田舎の地方出身で都内私大に入学した身なので美紀の感覚が痛いほどよくわかる。生きる階層が違う人間、確かにいるんだよなあ。東京出身の貴族だけで構成される空間が確かに、ある。でもそういう子たちはみんないい子で、わたしのような地方出身の子にも優しくしてくれる。残酷だなあと思うけれど不思議と妬みや嫉妬はなかった気がする。そしてわたしが仲良くするのは同じ地方出身の女の子たちが多かったので、そういうことなんだろうなあ。

女ふたりが仲良くしている映画、好き。美紀にも華子にも、『今日あった出来事を聞いてくれるともだち』がいてよかった。生きる環境は違うけれど、こういう存在がいるかどうかで人生の幸福度は決まる気がする。
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