上流社会と一般社会の格差のお話であると同時に、女性の自立のお話。
どんな家庭で育っても、上流と一般、どちらにカテゴライズされようともそれぞれに大変さはある。自分より上、下を気にしているのはむしろ上流社会の人達なのかもしれない。
主人公の華子が汚い居酒屋で一緒だった男女、すごくいい人達だったのに、彼女は大衆酒場の雰囲気が受け入れられなくて彼らの良さが何も見えてなかった。すごく残念だけれど、こういうことって結構ありそう。棲み分けがされていることで取りこぼしていることもきっとたくさんあるんだろうな。
一般社会の水原希子ちゃん演じる美紀と友達が、上を見上げながら希望に満ち溢れているシーンがすごく良かった。反対に華子は、バイオリンを弾く友人を高い場所から見下ろしながら、そして同じ位置にいるある人と目を交わしながら、未来に胸を膨らませていたのが印象的だった。
現実を見せているとはいえ、絵に描いたような嫌な人は出てこず、全体的に穏やかな空気が流れていたからか、観賞後清々しい気持ちになった。好きな作品だったなぁ。
