ひろひろ

タミー・フェイの瞳のひろひろのレビュー・感想・評価

タミー・フェイの瞳(2021年製作の映画)
5.0
第34回東京国際映画にて。

とても楽しみにしていた1本。
面白かった!

映画としては、お騒がせセレブの成功と失墜を追ったヒューマンドラマであり、『ウルフウォールストリート』ばりのクズっぷり(笑)と、到底喜劇とも言えない悲劇的な人生に、一体庶民の私たちが何を感じ取れと…?と思う方も多いかもしれない。

そんな終始"どうしようもない"ストーリーなのだが…やはり着目すべき点は「タミーフェイの"瞳"」ではないだろうか。

決して彼女の視点で描かれる映画ではなく、あくまでタミーフェイとジムベイカー夫妻の物語なのだが、その過程で彼女が見ていたものはなんだったのか、それを考え出すととても複雑な社会が映し出されてくる気がする。

神の前では皆平等。
大衆と、嘘と、虚構と、現実。

彼女の瞳に映ったそれらは、どんな力を、どんな影響を持つものだったのか。

こういう作品を見るたび「事実は小説よりも奇なり」とよく言ったものだなぁと。


ぜひ主演のジェシカチャステインにはオスカーを獲って一般上映されてほしい。
ディズニープラス配信になってもまた観るけど。
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