140字プロレス鶴見辰吾ジラ

日本沈没の140字プロレス鶴見辰吾ジラのレビュー・感想・評価

日本沈没(2006年製作の映画)
2.7
破壊、崩壊、嬉々、壊、壊

火山の大噴火
火砕流と火山弾
スケールの巨大さになす術のない人間と大都市

津波警報
視界の奥からせり上がってくる海面の圧力
スケールの巨大さになす術のない人間と日常

地震警報
本心が到達するまで怯え身構えるしかない人間と沈みゆく絶対的な大都市の存在

逃げ惑い
命乞い
されどフェンスが身分を分断する
行く手は寸断され
希望は土砂の下、瓦礫の下

日常は大きな音を立てて再生の余地のないほど崩れ去る
終焉に立ち尽くす群衆

これが見られれば、これだけ見られればディザスタームービーはその存在意義があり、鬱屈した日常が取り返しのつかない状況に追い込まれるのは、現実的に地震のニュースが流れ、不謹慎に思われるかもしれないがどうしようもなく興奮してしまう。この世界に不満があるからなのか、それとも背徳感的な興奮なのかは自分には分からないがディザスタームービーには期待せずにはいられない。

だから恋愛とか下手な人間ドラマをカラメルみたいに絡めるのは野暮なもので、死を目の前に胸糞悪い人間のエゴが湧き出してくるだけでいいのではと思う。沈没の要因など科学考証などはポイッと捨て去ってマクロ的な視点からの大破壊を楽しませて欲しかった。

邦画にしては崩壊シーンの迫力は存分に感じられたのでこの手のジャンル映画として見たいものは見られたので悪い気などしない。